さてエンジン始動の練習におすすめなのが、トレーニングとして用意されています。
「DCS World 2.5」を起動して「TRAINING」を選択すると、下記の画面が表示されますので、左側のModulesから「TF-51D」を選択し、表示される一覧から「Engin Start Procedure」がありますので、それを選び「START」!手順を覚えるまでやり込みましょう!
「TF-51D」は、武装関係が全て取り外されているので、視界は良好ですね。
今回は、チェックリストにそった形で簡単に説明していきます。
マウスでうまく操作できない場合は、キーボードで操作すると楽になりますので、ついでに書いておきます。
■External Check(機体の外部点検)
エクスターナルチェックは通常の手順ですと、機体外回りのチェックから入りますが、ここではスキップします。
※楽しみたい方は、キー操作: F2 を押して「Aircraft view」で機体を外から眺めてみて下さい。キー操作: F1 で「Cockpit view」で操縦席へ
■Pre-start(プレスタート)
操縦席に入ったらすぐに、正面下部のフロントスイッチパネルにあるイグニッションセレクタースイッチが「OFF」になっていることをチェックし、左側にあるミクスチャコントロールレバー(赤い「M」と記載されているレバー)が「IDLE CUTOFF」になっていることを確認します。
エンジンの始動手順は、左のほうから右のほうへ順に操作していくという手順ですので、位置関係を覚えちゃえば、直ぐにエンジン始動は出来ちゃいますよ。
- ・フラップハンドル – UP位置(通常の離陸)
- (キー操作:アップ 左Shift + F、ダウンF )
フラップハンドルは、コックピット左側のコンソール後方にあります。
フラップポジションは、下から50°、40°、30°、20°、10°、UPとなります。
※短い距離で離陸する場合などは、フラップを10°~20°にセットします。
※フラップは油圧で動くので、油圧を作るポンプを動かすエンジンが停止していますのでフラップはまだ作動しません。 - ・Ram Airコントロールレバー(外側) – 前方の「RAM AIR」位置へ
- (キー操作:前側へ 左Shift + H )
キャブレターラムエアコントロールレバー(外側)は、キャブレターエアダクトの前部にあるラムエアドアを開閉します。
レバーには、「RAM AIR」と「UNRAMMED FILTERED AIR」の2つの位置があります。
「RAM AIR」ポジションでは、フロントインテークが開き、ラムエアがキャブレターに向かってダクトに入ります。
「UNRAMMED FILTERED AIR」位置では、ラムエアドアは閉じられ、エアーはサイドフィルターを通ってキャブレターに入ります。
通常のフライトではラムエア(レバーを「RAM AIR」に設定)を使用します。
※「UNRAMMED FILTERED AIR」は、氷結や塵埃が激しい場所で使用することができます。 - ・ホットエアコントロールレバー(内側) – 前方の「NORMAL」位置へ
- ホットエアコントロールレバー(内側)には、「NORMAL」と「HOT AIR」の2つの位置があります。
(トレーニング時はコントロールレバー(内側)の初期位置が前一杯の「NORMAL」になっています。)
「NORMAL」に設定すると、ラムエアコントロールレバーの設定に応じて、熱風ドアが閉じられ、ラムエア又はフィルタ処理されていないエアがキャブレターに入ります。
「HOT AIR」に設定すると、温風ドアが開き、エンジンルームからの温風がキャブレターに入ります。温風ドアはスプリング式で、キャブレターへの吸引によるアイシングやその他の異物の詰まりの場合には自動的に開きます。 - ・各エアコントロールスイッチ – 動作確認後「AUTOMATIC」位置へ
- クーラントラジエータエアコントロールスイッチと、オイルラジエータエアコントロールスイッチを「CLOSE」から「OPEN」まで操作し作動しているかを確認します。確認後は「AUTOMATIC」位置へ。
(初期位置が「AUTOMATIC」になっていますので確認だけでもOK) - ・トリムタブ – セット
- (キー操作:右Ctrl + 各キー )
エレベーター、ラダー、およびエルロンのトリムタブを制御するために、トリムタブコントロールがコックピットの左側に取り付けられています。
ラダートリム:5°(プロペラ機固有の現象で、プロペラが回っている方向に曲がって行こうとするため、離陸の場合は特に出力を使うので、ラダートリムを「5°」の位置へ合わせます。)
(キー操作:右回り 右Ctrl + Xを押し、左回り 右Ctrl + Zを押す )
エルロントリム:0°.(ニュートラル)
(キー操作:右 右Ctrl + /を押し、左 右Ctrl + ,を押す )
エレベータートリム:0°(通常の離陸時は0°)エレベータートリムは重心位置に応じて調整します。
(キー操作:ダウン方向 右Ctrl + ;を押し、アップ方向 右Ctrl + .を押す )
※トリムをリセットする場合(キー操作:左Ctrl + T ) - ・ランディングギアハンドル – 「DOWN」位置
- 左側の足元付近にある降着装置のハンドル位置を確認します。
ランディングギアハンドルは、降着装置を上げ下げするために使用されます。ハンドルには、「UP」と「DOWN」(下)の2つの位置があります。ギアハンドルは、機械的リンク機構を介してランディングギアセレクターバルブを位置決めします。ハンドルはバネで取り付けられており、ある位置から別の位置に移動するには内側に引っ張る必要があります。ランディングギアフェアリングドア緊急解除ハンドルを引いた(フェアリングドアが開いている)場合、ハンドルは機械的に下の位置にロックされています。これは、航空機が地上にいる間に誤ってハンドルを上げるのを防ぎます。 - ・左ウイングタンク燃料計 – チェック
- コックピット左側の床下にある左側メインタンクの燃料計のチェックを行います。
左側メインタンクの最大容量は、92ガロンです。
※この機体は、後席がありますので、補助タンクはありません。 - ・ミクスチャ(混合気体)コントロール – 「IDLE CUT-OFF」位置
- ミクスチャコントロールレバー(赤い「M」と記載されているレバー)が「IDLE CUT-OFF」位置にあることを再度確認します。
- ・プロペラコントロールレバー – 前方の 「INCREASE」位置へ
- (キー操作:レバー前側へ Page Up、レバー後側へ Page Down )
通常のポジションだと、スロットルに隠れた「P」と書かれたレバーがプロペラコントロールレバーです。プロペラの回転数を調整するレバーで前方の「INCREASE」位置まで前進させます。 - ・スロットル – 1インチ開けます
- エンジンに空気が流れるようにスロットルを約1インチ程度開けます。
- ・気圧高度計 – セット
- AN5760-2 気圧高度計の左下にある設定ノブを回して飛行場高度を設定(QNH)もしくは0に合わせる(QFE)のどちらかに設定します。飛行時はQNHが使いやすいですが、始動時のマニホールド圧力計との読み合わせに使用するために0に合わせておきます。
※どうやら自動的に0にセットしてくれているようです。 - ・ジャイロ計器類 – アンケージ
- ジャイロ計器類(ジャイロコンパス、フライトインジケーター、旋回傾斜計)を使用できるようにします。
ここでは、フライトインジケーター(水平儀)の右下にあるケージノブを使ってアンケージ(固定を解放)します。(ジャイロコンパスはディフォルトだとアンケージされています)
※この機体に装備されている旋回傾斜計はケージされていません。 - ・コントロール – チェック
- 操縦桿のロックが掛かっている場合は、ロックを解除してください。操縦桿が抵抗なく動作するか、舵面(ロール、ピッチ)の動作と連動しているか、ラダーペダルを動かしてラダーの動作と舵面(ヨー)の動きの連動もチェックします。
- ・スーパーチャージャー – 「AUTO」位置
- エンジンコントロールパネル内の左側にあるスーパーチャージャー(過給器)のカバーを開いて、トグルが一番下の「AUTO」になっていることを確認します。
(デフォルトでAUTOに設定されています) - ・フューエルブースター – 「ON」
- (キー操作:押すたびに切り替わる Delete )
エンジンコントロールパネル内のフューエルブースタースイッチを「ON(上)」位置へ入れます。
ブースタースイッチを「ON(上)」の位置に設定すると、各燃料タンクのブースターポンプに電力が供給されます。各ブースターポンプは、フロントダッシュパネル下部にある「Fuel Selector Valve」を使用して対応するタンクを選択することで作動します。 - ・イグニッションセレクタースイッチ – 「BOTH」
- (キー操作:押すたびに切り替わる End )
フロントスイッチパネルのエンジンイグニッションセレクタースイッチを「BOTH」位置へ移動します。
イグニッションセレクタースイッチは、「OFF」「R」「L」「BOTH」の4つのポジションがあります。 - ・フューエルコントロールパネル – セット
- フューエルコントロールパネルにあるフューエルセレクターバルブは、燃料タンクのセレクトレバーです。「MAIN TANK L.H.」になっていない場合は左ウイングタンクに設定します。(デフォルトでは「MAIN TANK L.H.」になっているはずです。)
(キー操作:押すたびにセレクターが切り替わる T )
同じようにフューエルコントロールパネル左側にあるフューエルシャットオフバルブ(燃料元栓)を「ON」位置へ移動します。
(キー操作:シャットオフバルブ 左Ctrl + 左Shift + T ) - ・パーキングブレーキ – セット
- パーキングブレーキをセットします。
パーキングブレーキハンドルは、インストルメントパネルの下部中央にあるランディングギア警告灯のすぐ右側にあります。(パーキングブレーキをかけるには、ハンドルを引き、ブレーキペダルを踏み、ブレーキペダルを放し、次にハンドルを放します。パーキングブレーキを解除するには、単にペダルを踏みます。) - ・右ウイングタンク燃料計 – チェック
- コックピット右側の床下にある右側メインタンクの燃料計のチェックを行います。
右側メインタンクの最大容量は、92ガロンです。 - ・バッテリー及びジェネレータースイッチ – 「ON」
- (キー操作:バッテリースイッチ B )
コックピット右側にある電源管理パネルのバッテリースイッチを「ON」にします。エンジン計器やランディングギア警告灯(緑)に電源が供給されているのがわかるはずです。また、エンジンが始動し1500~1700 RPMを超えた時に発電するようにジェネレータースイッチを「ON」にしておきます。
(キー操作:ジェネレータースイッチ V )
※バッテリーをONにすると、エンジンがかかるまでバッテリーで給電されます。 - ・各エアコントロール動作音 – チェック
- オイルラジエーターフラップとクーラントラジエータフラップの動作を点検する為、カバーを開いて各トグルを「OPEN」方向に手動で動かし、動作音をチェックします。
各トグルはエンジンオイルとエンジン冷却液の冷却装置に流れる空気流をコントロールするフラップの動作を司り、マニュアルで「OPEN」にトグルを動かしてフラップが動作することをチェックする必要があります。
カバーを閉じると「AUTOMATIC」に戻ります。フラップ動作音を確認し、温度センサーの稼働を確認します。 - ・ランディングギア警告灯 – チェック
- 降着装置の警告灯を押して点灯(赤)をチェックします。
- ・ポジションライト – チェック
- 翼端(ウイング)と尾部(テール)のポジションライトのスイッチを「BRIGHT(上)」にして点灯をチェックします。
チェック後は「OFF」にします。
「 コールサイン, 空港名, cleared for startup, wind 方位 at 風力」
■Start-Up(スタートアップ)
始動前チェックが完了したら、いよいよエンジンを始動しましょう。
- ・プライマースイッチを1秒程度「ON」に入れます
- (キー操作:押すとON位置に Insert )
プライマースイッチはエンジンに燃料を送り込む為のスイッチです。
エンジンコントロールパネルのプライマースイッチを1秒程度、寒い場合は3~4秒間「ON(押しっぱなし)」に入れておきます。
※最大で4秒程度にしておきましょう!燃料を送り過ぎてもダメなのです。! - ・スタータースイッチのカバーを開けて「ON」位置へ
- (キー操作:押すとON位置へ Home )
カバーを開けて、バネ式のスイッチを「ON(押しっぱなし)」位置に入れると、プロペラが少しずつ周り始めます。(※スタータースイッチは、15秒以上「ON(押しっぱなし)」位置に入れないようにして下さい。) - ・エンジンが回転しプロペラが安定して回り始めたら、ミクスチャコントロールを「RUN」へ
- (キー操作:押すたびに切り替わる M )
スタータースイッチを押したままで、エンジンを回転させ、エンジンが動き始めたら、ミクスチャコントロールレバー(赤い「M」と記載されているレバー)を「IDLE CUTOFF」位置から「RUN」位置へ動かしスタータースイッチを放します。(右クリック1回で「RUN」の位置へ入ります。)
※「FULL RICH」位置は、キャブレターが故障した場合にのみ使用される緊急設定です。
エンジンが始動できました。
下の画像で示されているようにフロントダッシュパネルの上から「Suction Gauge(真空計)」「Tachometer(回転計)」「Engine Gauge(エンジンゲージ)」の各種計器が正常であることを確認します。
- ・先ずはRPM計で確認しながら1200~1300 RPMになるようにスロットルを調整します。
- タコメーター(回転計又はRPM計)はエンジン回転数を表示する計器です。エンジンが暖機された後、1,000 RPM以下でアイドリングします。0から4500まで目盛りが付けられており、エンジン回転数を毎分回転数(RPM)として数百RPMで表示します。ゲージ全体を通して100 RPMに拡大縮小されます。 緑色の範囲は1600~2400の通常動作RPMを示します。赤い線は3000の最大通常RPMを示します。
- ・エンジンゲージ(油温、油圧、燃圧)をチェックします
- 油温計(エンジンオイル温度計):エンジンゲージ内上側にあります。オイル温度が40°Cに達するまではこの回転数を保って暖機運転します。油圧が下がるまで、約1,200~1,300 RPMでアイドリングします。
油圧計(エンジンオイル圧力計):エンジンゲージ内左下にあります。油圧計が30秒以内に50 PSI以上に上昇することを確認します。そうでない場合は、エンジンを停止します。
燃圧計:燃圧計はエンジンゲージの右下にあります。燃料圧力をポンド/平方インチ(PSI)で示し、0から25 PSIまで目盛りが付いています。ゲージは1 PSIに調整されています。緑色の範囲は、12 – 16 PSIの正常動作圧力を示します。赤い線は12 PSIの最小許容圧力と19 PSIの最大許容圧力を示しています。
下の画像はEngine Gauge(エンジンゲージ)」です。油温(上側)、油圧(左下)、燃圧(右下)を示しています。
- ・Gメーター – リセット
- 機体荷重を測るGメーターをリセットします。
- ・フライトインジケーター – 再設定
- フライトインジケーターのケージノブをクリックして水平状態を再設定します。
- ・サクションゲージをチェックします。
- サクションゲージと言って空気の吸入量を計っており、バキュームポンプから適切な真空を供給しているかどうかを示します。ゲージの目盛りは0から10で、水銀柱インチ(in.Hg)で圧力を示します。ゲージの読みが3.75未満または4.25を超える場合、圧力は異常であり、真空計器の読みは信頼できません。通常の吸引測定値は4.00 in.Hgです。サクションゲージをチェックして、3.75~4.25インチの真空圧を表示します。
- ・残りエンジン計器類もチェックします。
- クーラント温度計、キャブレター温度計等が通常域(緑色の範囲)を指していることをチェックします。
エンジン計器の油圧と燃料圧も通常域にあることをチェックします。 - ・油圧圧力計 – チェック(800-1100 PSI)
- 油圧圧力計(ハイドロプレッシャー又は油圧計)はフロントダッシュボードの下部にあります。機体の油圧系統は800~1,000 PSIを指していることをチェックします。ゲージの間隔は200 PSIです。 油圧システムの標準圧力は1,050(+/- 50)PSIです。
- ・酸素圧力計 – チェック(400 PSI)
- 酸素圧力計はインストルメントパネルの右下にあり、酸素システム内の圧力を示します。
※しばらく暖気して油温が40°を超えたら、RPMを1000回転までエンジン出力を落とします。
これで、エンジン始動が完了です。
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